スキンケアを休みたい夜に。リ・ダーマラボで「きちんとしなきゃ」を手放した私

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    オールインワンを選ぶと「女をサボった気がする」夜に、私がやめたこと

    爽やかな朝のリラックス時間

    きれいになりたいのに、化粧水のふたさえ開けたくない夜があります

    昼間に蓄えた熱が、夜になってもアスファルトの隙間からじわじわ戻ってくるような季節です。

    帰宅したのは、夜の10時を少し回った頃でした。

    バッグを床に置き、ブラウスのボタンをひとつ外し、冷蔵庫から麦茶を出します。グラスに注ぐことすら面倒で、そのままペットボトルに口をつけました。

    行儀が悪い。

    ちゃんとした大人の女性なら、こんな姿は見せないのかもしれません。

    けれど、一人暮らしの部屋では、誰にも見せない私がいちばん正直です。

    仕事では笑顔をつくり、友人から届いた婚約報告にはハートのスタンプを返し、母からの「いい人はいないの?」というメッセージには「今探してるよ」と軽く答えました。

    本当は、その全部に少しずつ疲れていました。

    洗面台の前に立つと、汗で前髪が額に張りついています。エアコンの効いた職場と蒸し暑い屋外を何度も往復した頬は、皮脂で光っているのに、触ると妙にごわついていました。

    メイクを落としたら、化粧水、美容液、乳液、クリーム。

    美容業界で働いていた私は、順番も塗り方も知っています。肌はこすらず、手のひらで優しく包むこと。乾燥しやすい目元や口元には重ねづけすること。

    知識だけなら、いくらでもあります。

    それなのに、その夜は化粧水のふたさえ開けたくありませんでした。

    「もう、何も塗らずに寝たい」

    そう思った瞬間、胸の奥から別の声が聞こえました。

    「だから結婚できないんじゃない?」

    たかがスキンケアの話なのに、なぜか婚活まで持ち出して、自分を責め始めるのです。

    丁寧に暮らせない私はだめ。

    毎晩きちんとお手入れできない私はだめ。

    年齢に抗う努力を怠ったら、もっと選ばれにくくなる。

    誰かに言われたわけでもないのに、私は洗面台の前で勝手に減点され続けていました。

    SNSを開けば、白いタオルを巻いた女性が、きれいに並べたボトルを一つずつ肌になじませています。

    「夜の自分を慈しむ、7ステップのご褒美ケア」

    そんな投稿を見るたび、素敵だと思う半分、できない自分が置いていかれる気がしました。

    私の洗面台には、使い切れなかった美容液があります。口コミを読み込んで買ったクリームも、途中で止まったままです。

    年収300万円の私にとって、決して軽い買い物ではありません。

    それでも買ってしまうのは、化粧品だけが欲しいからではないのでしょう。

    きちんと手入れされた肌。

    整った部屋。

    穏やかな恋愛。

    好きな仕事で暮らしていける収入。

    私はその全部がそろった「ちゃんとした女性」に近づきたくて、ボトルを増やしていたのだと思います。

    そんなとき目に留まったのが、リ・ダーマラボの「モイストゲルプラス」でした。

    洗顔後、基本はこれ一本。

    正直、最初に浮かんだのは期待ではありません。

    「オールインワンにしたら、手を抜いているみたい」

    そんな、誰にも頼まれていない罪悪感でした。

    一本で済ませたいのではなく、これ以上自分を責めたくなかったのです

    オールインワンゲルを探している人は、単に忙しい人だと思われがちです。

    けれど私の場合、本当に足りなかったのは時間ではありませんでした。

    化粧水、美容液、乳液、クリームを順番に使っても、10分ほどです。その気になればできる時間です。

    では、なぜできなかったのでしょう。

    たぶん私は、一日中「ちゃんとすること」に疲れていたのです。

    仕事では機嫌よく振る舞う。

    婚活では重すぎない女性に見せる。

    友人の幸せを素直に祝う。

    将来のために貯金する。

    太らないよう食事にも気をつける。

    紫外線も乾燥も毛穴も老化も、全部気にする。

    夜のスキンケアは本来、肌をいたわる時間です。それなのに私にとっては、一日の最後に残された「まだちゃんとしなければならない課題」になっていました。

    モイストゲルプラスは、公式サイトによると100g入りで、朝晩の使用で約1か月分。洗顔後に1~2プッシュをなじませ、乾燥が気になるところには重ねづけする使い方です。

    ヒト型セラミドコンプレックスや天然ナノセラミド、3種類のヒアルロン酸、19種類のアミノ酸などの保湿成分が配合されています。さらに、ペプチド、プロテオグリカン、ビタミンC、パルミチン酸レチノールなども配合されています。

    着色料、合成香料、鉱物油、石油系界面活性剤、エタノール、パラベン、紫外線吸収剤を使用していないと案内され、空気に触れにくいエアレスボトルが採用されています。

    ただし、「低刺激を考えた処方」と「誰の肌にも絶対に合う」は同じ意味ではありません。

    アレルギーテスト済みの商品でも、すべての人に刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。敏感肌で心配な場合は、少量から試し、赤みやかゆみなどの異常が出たら使用を中止することが大切です。

    私が惹かれたのは、豪華な成分名だけではありませんでした。

    ポンプを押す。

    肌になじませる。

    乾きやすい部分だけ、もう一度重ねる。

    それで、その日の私は終わっていい。

    この単純さに救われたのです。

    私はオールインワンを「何工程もこなせない人の妥協」だと思い込んでいました。でも、実際は逆なのかもしれません。

    必要なことを自分で選び、不要な負担を手放す。

    それは、かなり大人っぽい判断です。

    もちろん、肌状態は毎日同じではありません。

    冷房の中で長時間過ごした日や、目元・口元の乾燥が強い日は、ゲルを重ねたり、必要に応じてクリームを足したりしてもよいと思います。オールインワンという名前に縛られて、「絶対に一本だけで済ませなければ」と我慢する必要もありません。

    反対に、汗や湿気で重さを感じやすい朝は、量を調整し、なじんでから日焼け止めやメイクへ進むほうが快適です。

    スキンケアは、商品名に自分を合わせるものではありません。

    その日の肌と相談して、使い方を変えていいものです。

    今までの私は、頑張るか、全部やめるかの二択でした。

    丁寧に何工程も重ねられなければ、何もしない。

    完璧にできないなら、最初から投げ出す。

    この極端さは、恋愛にも似ていました。

    好きな人に大切にされたいのに、迷惑だと思われたくなくて本音を言えない。少し返信が遅いだけで、「脈がない」と決めつける。傷つく前に、自分から心を閉じる。

    でも本当は、ゼロか百かではなくていいのです。

    今日は一つだけ。

    今日はここまで。

    それでも自分を見捨てなかったことに変わりはありません。

    夏の土用は、季節が次へ移る前の不安定な時期といわれています。暑さで食欲が落ちたり、眠りが浅くなったり、理由もなく心がざわついたりします。

    そんな季節に、いつもと同じだけ頑張れないのは、怠けではありません。

    体も心も、暑さの中で生きているのです。

    肌にゲルを一つなじませるだけの夜があってもいい。

    鏡を見ずに、そのままベッドへ向かう夜があってもいい。

    「最低限しかできなかった」ではなく、「最低限だけは自分にしてあげた」と言い直してみる。

    その言葉だけで、少し呼吸が深くなりました。

    私が短縮したかったのは、スキンケアの時間ではありませんでした

    モイストゲルプラスを調べ始めた夜、私はスマホのメモに、少し恥ずかしい計算を残していました。

    化粧水、3,800円。

    美容液、6,600円。

    乳液、4,200円。

    クリーム、5,500円。

    合わせて、20,100円。

    全部を毎月買うわけではありません。それでも、なくなる時期が重なれば出費は痛いです。

    公式サイトに掲載されているモイストゲルプラスの通常価格は、2026年7月21日時点で4,938円(税込)。定期価格や初回限定価格も案内されていますが、キャンペーン内容や解約・変更条件は、申し込む前に最新情報を自分で確認したほうが安心です。

    私は電卓を眺めながら、「これなら少し節約できるかもしれない」と思いました。

    婚活には、地味にお金がかかります。

    服、美容院、コスメ、交通費、食事代。

    会う前には、毛先の傷みが気になり、ネイルが伸びたことが気になり、手持ちのワンピースが古く見える気がします。

    相手から求められたわけでもないのに、「選ばれる準備」という名前で、お金が静かに出ていきます。

    そして、うまくいかなかった帰り道。

    私はコンビニで少し高いアイスを買い、家に帰ってから通販サイトを開きます。

    もっと肌がきれいなら。

    もう少し痩せていたら。

    もっと若く見えたら。

    次はうまくいくかもしれない。

    そう思って、新しい化粧品をカートに入れるのです。

    きれいになりたい気持ちは嘘ではありません。

    美容は私を助けてくれました。落ち込んだ朝、新しいリップを塗るだけで外に出られた日もあります。荒れた肌が落ち着けば、それだけで人と目を合わせやすくなりました。

    だから、美容そのものを否定したくはありません。

    でも私はときどき、「自分を好きになるため」に化粧品を買っているのではなく、「今の自分を嫌い続けるため」に買っていました。

    足りないところを探し続ければ、次の商品が必要になります。

    毛穴。

    乾燥。

    くすみ。

    フェイスライン。

    目元。

    悩みを一つ消しても、広告は次の欠点を教えてくれます。

    その夜、私はオンラインショップを閉じました。

    そして、婚活で知り合った男性に送ろうとしていたメッセージを開きました。

    数日前から、彼の返信は遅くなっていました。

    私は何度も文章を書き直していました。

    「忙しいよね。落ち着いたらまた連絡してね」

    本当は、忙しい理由を知りたかったのです。

    また会いたいのか、もう会いたくないのか。

    曖昧な場所に置かれたまま、笑顔で待ち続けるのがつらいと伝えたかったのです。

    でも、嫌われるのが怖くて、「理解のある女性」を演じようとしていました。

    ここで、私はようやく気づきました。

    私がオールインワンゲルで短縮したかったもの。

    それは、スキンケアの時間ではありませんでした。

    誰かに選ばれるために、自分の気持ちを後回しにする時間でした。

    私は用意していた優しいメッセージを全部消しました。

    そして、こう送りました。

    「私はまた会いたいと思っています。でも、このまま曖昧に待つのは少しつらいです。今の気持ちを正直に教えてもらえますか」

    送信した瞬間、手が震えました。

    返事は、すぐには来ませんでした。

    洗面所へ行き、顔を洗いました。

    本来なら、ここから何種類もの化粧品を重ねるところです。でもその夜、私が手に取ったのは一つだけでした。

    肌に必要なものを完璧に与えられたかは、分かりません。

    けれど、自分の心に必要だった言葉は、ようやく与えられました。

    翌朝、スマホに彼からの返信が届いていました。

    「ごめん。ほかに気になる人ができました」

    胸が、すっと冷えました。

    これが読者を安心させる恋愛ドラマなら、彼は私の正直さに心を動かし、「僕も会いたい」と答えるのでしょう。

    でも、現実はそうではありませんでした。

    振られました。

    あっけないほど、普通に。

    泣きました。

    朝なのに、ベッドへ戻りました。

    仕事へ行きたくないと思いました。

    鏡の中の私は、目も腫れているし、決してきれいではありませんでした。

    ところが不思議なことに、昨日までより少しだけ、自分のことを嫌いではありませんでした。

    欲しい答えはもらえなかった。

    それでも私は、自分の気持ちをなかったことにしなかったからです。

    オールインワンゲルを使ったら恋がかなった、という話ではありません。

    肌が一晩で劇的に変わった、という話でもありません。

    むしろ私が手に入れたのは、失恋でした。

    けれど、それと同時に、「選ばれないこと」と「価値がないこと」は別だと知りました。

    肌のお手入れを何工程したか。

    恋人がいるか。

    結婚できたか。

    年収がいくらか。

    そうした項目を全部並べて、自分という人間の点数を出そうとしていたのは、ほかでもない私でした。

    モイストゲルプラスは、一つで何もかも解決してくれる魔法ではありません。

    化粧品なので、感じ方にも肌との相性にも個人差があります。

    それでも、頑張れない夜にポンプを一度押して、「今日はこれでいい」と言える選択肢にはなります。

    その「これでいい」は、諦めではありません。

    疲れている自分を置き去りにしないための、小さな救命ボートです。

    大暑を前にした夜、窓の外ではエアコンの室外機が低く唸っていました。

    私は腫れた目のまま、冷たい麦茶を飲みました。

    失恋した翌朝なのに、空は腹が立つほど青く、洗濯物はよく乾きそうでした。

    人生は、こちらの感情に合わせて天気を変えてはくれません。

    だから私たちは、泣いた顔にも日焼け止めを塗り、仕事へ行き、お腹がすけばご飯を食べます。

    そうして普通の一日を重ねながら、少しずつ立ち直っていくのでしょう。

    今日、丁寧なスキンケアができないあなたへ。

    何工程できたかで、自分への愛情を測らなくても大丈夫です。

    一つ塗ったなら、それで十分。

    何も塗れずに眠ってしまったとしても、明日の朝に顔を洗えばいいのです。

    私たちは、肌の調子が悪い日も、失恋した日も、完璧ではないまま生きていけます。

    そして案外、そのままの私たちのほうが、嘘のない顔をしているのかもしれません。


    参考サイト:

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